西ナイル熱、鳥にも猛威 全米各地で野鳥が激減

朝日新聞
2007年5月30日

西ナイル熱、鳥にも猛威 全米各地で野鳥が激減

 鳥から蚊が媒介して人にうつる感染症、西ナイル熱が猛威を振るう米国で、このウイルスが原因とみられる野鳥の減少が広がっている。米国立動物公園スミソニアン渡り鳥センターなどの調査によると、ウイルスが米国に上陸した99年以降、アメリカガラスが地域によってほぼ半減するなど、身近な野鳥7種で大幅に減少が確認された。

 調査チームのリーダーで、同センターのペーター・マラ研究員は「特定の野鳥の減少は、周辺の自然環境を変質させるばかりか、気候や、感染症のはやり方などにも影響を及ぼす可能性がある」と警告している。

 アフリカ発祥の西ナイル熱ウイルスの上陸が99年に確認された米国では、昨年末までに、人では約2万4000人の患者が報告され、962人が死亡している。

 ウイルスは鳥の体内で増殖する。調査チームによると、鳥の死もこれまでに数万件が報告されているが、野鳥の個体数への影響は詳しく調べられていなかった。英科学誌ネイチャー電子版に報告が載った。

 調査チームは、従来の研究で西ナイル熱の被害の危険が「高い」「ふつう」「低い」「わからない」とされた野鳥から各4〜6種、計20種を選定。全米で続けられている野鳥の繁殖状況調査で、80〜05年に得られた26年分の個体数のデータをもとに、ウイルス上陸と個体数の変化の関係を分析した。

 その結果、被害の危険が「高い」とされていたアメリカガラス、エボシガラ、アオカケス、「ふつう」のコマツグミ、イエミソサザイ、アメリカコガラ類、「わからない」のルリツグミの計7種で、個体数の大幅な減少が確認された。

 いずれも98年以前の個体数の推移や、その後の気候条件などからみた予測個体数と比べ、99年を境に激減。西ナイル熱の影響と結論づけた。

 減少が著しかったのはアメリカガラス。05年までに、98年に比べて45%も減った。

 イエミソサザイとルリツグミは、東部バージニア州では減っていないが、他の州では最大25%前後も減るなど地域差があった。この2種の減少地域は、人への感染が著しい地域と重なった。

 また、この2種だけは、03〜04年を境に個体数に回復傾向がみられるが、他の5種は調査最終年の05年まで減少傾向が続いていたという。

 調査チームは「これは控えめな見積もり。北米全体で野鳥の生態系が著しく変わりつつある」と、実態がより深刻である可能性を指摘した。

72基が過去に探傷試験せず、1年以内に未実施は39%/全国コースター調査

神奈川新聞
2007年5月23日

72基が過去に探傷試験せず、1年以内に未実施は39%/全国コースター調査

 国土交通省は二十三日、大阪のジェットコースター死亡事故を受けて実施した遊戯施設の緊急点検で、内部亀裂などを調べる車輪軸などの探傷試験を過去一年以内に実施しなかった施設が、三百六基のうち約39%に当たる百十九基に上ったとの調査結果を発表した。うち七十二基は、設置後に一度も探傷試験をしていなかった。

 ジェットコースターなど高架のレールを走る傾きが五度以上の施設は、探傷試験を年に一回以上実施するようJISの検査標準で定められており、国交省は「大変憂慮すべき事態」としている。

 対象の三百六基は全国百三十九の遊園地にあり、一年以内の探傷試験未実施の百十九基があったのは八十九カ所、過去未実施の七十二基があったのは六十一カ所。時速三-五キロの子ども向け遊具とはいえ、一九七四年に設置後、一度も検査していない施設もあった。

 国交省は同日、観覧車や回転ぶらんこなどコースター以外の遊具についても、検査標準が守られているかどうか緊急点検するよう関係自治体を通じて指示。七月十三日までの報告を求めた。

 また現状ではジェットコースターなどの「絶叫マシン」や子ども向けの乗り物も点検項目が同一のため、施設の種類ごとに点検項目を細かく定めるなど点検方法の見直しに向け検討を始めた。遊具の性格や危険の度合いを勘案し項目を検討する見通し。

 三百六基のうち、緊急点検で車輪の摩耗や車軸の傷が見つかったのは、「多摩テック」(東京都日野市)と「日本モンキーパーク」(愛知県犬山市)がそれぞれ二基、「浅草花やしき」(東京都台東区)、「千光寺公園グリーンランド」(広島県尾道市)、「ワンダーラクテンチ」(大分県別府市)が各一基の計七基。いずれも自治体に提出する年一回の定期報告では異常なしとされていた。千光寺公園グリーンランド以外の六基は既に部品を交換したという。

 二百四十九基は問題がないことが確認され、五十基は点検中。






 県内で過去一年以内に探傷試験を行っていなかったのは、横浜市中区の「よこはまコスモワールド」の二機種のみ。経営する「泉陽興業」(大阪市)の担当者は神奈川新聞の取材に「コースターの稼働回数が三万回に達すると探傷試験を含む分解検査を行う内規になっていた。頻度は二〜三年に一回程度だった」と明らかにした。

 国土交通省によると、同社がコスモワールドのダイビングコースターとスピニングコースターの探傷試験を行ったのは、二〇〇四年二月と三月が最後。今回の緊急点検で安全性を確認したダイビングコースターの一編成のみ十九日から運行を再開、もう一編成とスピニングコースターは点検を続けている。同社は「今後はJISの検査標準を守る」と釈明している。 一方、川崎市多摩区の「よみうりランド」は、死亡事故が起きたエキスポランドと同機種のジェェットコースター「MOMOnGA」など五機種の緊急点検を終え、いずれも「問題なし」と報告したが、遺族感情に配慮し「MMOnGA」については運休を続けている。「事故後、コースターの点検作業をより慎重に行っている」という。


ホームレス最新事情

オーマイニュース
鈴木 康允のレポート
『ホームレス最新事情』

その1
ブルーテントから見た格差社会の現実
http://www.ohmynews.co.jp/news/20070520/11290

その2
意外と優雅な生活をしている者も
http://www.ohmynews.co.jp/news/20070521/11340

その3
収入源は人それぞれ
http://www.ohmynews.co.jp/news/20070522/11382

その4
ホームレスをやめ、施設に入ったY氏の話
http://www.ohmynews.co.jp/news/20070523/11419

その5
施設で過ごす元ホームレスの悩み
http://www.ohmynews.co.jp/news/20070524/11449

「反貧困キャンペーン」記者会見 参加報告

JANJANニュース

「反貧困キャンペーン」記者会見 参加報告 2007/06/09

 6月6日(水)午後5時より日本弁護士会館(東京・霞ヶ関)で、反貧困ネットワーク準備会主催による「反貧困キャンペーン」についての記者会見がありました。

保育寮や給食費の滞納は親の責任か
 最初に、同準備会代表の宇都宮健児さん(弁護士)が挨拶をしました。長年、多重債務者問題に取り組んできた宇都宮さんは、文部科学省や読売新聞などが、認可保育園の保育料や学校給食費の滞納問題で、その原因の6割が親の責任であるとし、「規範意識の欠如」「親のモラルの崩壊」といった見方をしていることに対し、「違和感を感じる」と述べ、次のように反論しました。

 宇都宮さんのお話によると、全国に約230万人いるといわれている多重債務者の多くは、サラ金や闇金の支払いに追われ、税金、保険料、公共料金などを滞納しているそうです。多重債務を解決できない人が保育料や給食を払えない状況にあることを考えると、文科省などの捉え方は「皮相的」と断じました。昨年末、政府が「多重債務者対策本部」を設置し、各自治体で救済措置をとっていることに逆行するものであり、多重債務状態をそのままにしながら保育料や給食費の取立てを強化すれば、多重債務者をさらに追い込んでいくことになりかねない、との懸念を示しました。

いまこそ恥を知るべきだ
 宇都宮さんは、NHKの「クローズアップ現代」で、アメリカのワーキングプアについて告発した米国のジャーナリストの「いまこそ恥を知るべきだ」という言葉は、そのまま日本にも当てはまると述べ、ワーキングプアを放置している社会に対し、反省を促しました。とくに、貧困や格差を作り上げてきた政治家や行政の責任は重いと述べ、中でも政治家の責任は重大であり、この問題に政治家が真剣に取組み、解決の施策をとるべきである、と強く訴えました。

対立は作られたものではないのか
 次に、事務局長の湯浅さんから、今回のキャンペーンについての趣旨と、来たる7月1日(日)に行われる「もうガマンできない!広がる貧困〜人間らしい暮らしを求めてつながろう」と題する集会とパレードについての説明がありました。湯浅さんは、正規雇用と非正規雇用など、対立は作られたものである、と述べ、貧困キャンペーンをそれぞれがバラバラにやるのではなく、連携してやることの必要性を強く訴えました。また、貧困はあるのにないとして扱われていること、政治や社会が見ようとしない状況を変え、まず認めることから始めることで全体的な議論がわき起こる、との見方を示した上で、「反貧困キャンペーン」運動を広げるために力を尽くしていきたい、との決意を述べました。

 次に、参加団体や当事者の方々からそれぞれ発言がありました。

障害者自立支援法は障害者の自立を阻害するもの
 京都から駆けつけた在日3世の金順喜さんは、障害(重度の脳性麻痺)があり、車椅子の生活を送っています。しかし、1982年1月1日に20歳だったため、「障害基礎年金」をもらっていません。金さんは、障害者自立支援法によって負担が増え、収入がないのに利用料だけをとられることに対し、「納得がいかない」との思いを述べました。金さんは、「障害者の自立というのは名ばかりで、障害者の自立を阻害する以外の何者でもありません」との思いを吐露した上で、さらに厳しい状況に追い込まれている現状を訴えました。また、「無年金者」の自分だけでなく、年金をもらっている人たちも苦しい状況にあることに言及しながら、この事実を知ってもらうために、1人でも多くの人にこのことを広めてほしい、と強く呼びかけました。

 シングルマザーの支援をしている赤石千衣子さんは、シングルマザーの現状について、この10年でさらに状況が悪化した、との認識を示しました。非正規雇用が蔓延するなど就労状況が悪化しているなかで、さらに追い討ちをかけるように児童手当が削減されるといった状況があり、労働不安と福祉の取り上げの両方がシングルマザーを襲っていることを明らかにしました。赤石さんは、離婚の増加は失業率と密接な関係があると述べ、離婚したあとも貧困にさらされているシングルマザーの厳しい現実に言及しながら、「悪循環に陥っている」との認識を示しました。また、経済的事情などで就職に対する充分な準備もないまま社会に追い出される子どもたちの問題をきちんと取り上げ、訴えていきたい、との考えを示しました。

奴隷のように、我慢の限界まで働かされている
 「働く女性の全国センター」の伊藤みどりさんは、以前の貧乏はお金がなくても時間があるといった精神的な充実感がもてるので我慢できたが、いまの貧乏は働いても給料が上がらず、奴隷のように我慢の限界まで働かされている、と述べました。また、労働状況の悪化にともない、労働相談など、行政の下請け的役割を個人がボランティアで担っていることに対し、国民の声が政治に届いていない状況があることを指摘しました。伊藤さんは、若者、障害者、女性たちが手を携え、反貧困を訴えるネットワークができたことに対し、「勇気をもらった」と語り、この声をさらに大きくするために運動を広げていきたい、との考えを示しました。

大変なことが起こっている
 1人でも誰でも入れる労働組合「首都圏青年ユニオン」の河添誠さんは、「ネット難民」についての調査結果を報告しました。河添さんのお話によると、全国のネットカフェの7割以上で寝泊りしている人がいるという調査結果が出たそうです。最初、テレビで報道されたように、「ネット難民」は東京など局地的な現象ではなく、全国的な広がりをもっており、「大変な事態が起こっている」との認識を示しました。「派遣労働ネットワーク」の井上雅之さんは、日雇い労働から無宿者、ホームレスになるケースがかなりある、と語りました。不安定雇用のぎりぎりのところで働いており、厳しい状況にある日雇い労働者の現状を訴えました。相談にきた20代の若者は、仕事中荷崩れがして怪我をし、3ヶ月入院したそうです。事故に遭ったとき、助けてくれたのは同じ日雇いの仲間で、救急車を呼んでほしいと訴えたのに、30分後にきたのは会社のバンだったそうです。若者は大変口惜しい思いをした、と井上さんに語ったそうです。井上さんは、このようなことは氷山の一角であり、多くの人が泣き寝入りをしている、と述べ、日雇い労働の若者を使い捨てにしている会社の姿勢を厳しく糾弾しました。派遣労働法が改悪され、日雇い労働者が広がったのが一番の原因である、と述べ、来年また派遣労働法が改悪されるとさらに状況が悪化することに強い懸念を示しました。

このような状況を許してはいけない
 派遣労働者の相談や支援を行っている「NPO法人POSSE」の今野晴貴さんは、派遣労働者のおかれている厳しい状況について報告しました。賃金を払わない会社や、有休休暇を与えない会社があるなど、労働現場が無法状況にあることを明らかにしながら、「相手が若者だと思ってなめている。このような状況を許してはいけない」と強く訴えました。また、社会の中に「最近、若者がおかしくなった」といった見方があり、ニート、フリーターとレッテルをはって、なんでも「自己責任」にしてしまう状況が故意に作り出されている、との認識を示しました。今野さんは、「若者論」で貧困が作られていることを覆い隠そうとしている、と指摘しながら、このような状況を許さないために訴えていきたい、との考えを示しました。

死ぬ思いで生活保護を申請する人たち
 「生活保護問題対策全国会議」の尾藤廣喜さんは、生活保護を活用すべき状況にありながら、実際に生活保護を受けているのが15%、よくて20%(イギリスやドイツは70%〜80%が利用している)という状況にあるのは、生活保護に対する周知度が低いことと、行政の水際作戦によって申請しても受け付けてくれない現実があることを明らかにしました。4回福祉事務所を訪れ、やっと受け付けてもらえた人は、「死ぬ思いで行った」と語ったそうです。最近は、硫黄島作戦といわれ、受付をしたあとに嫌がらせをして払わないといった、非人間的な扱いをする行政もあるそうです。生活保護申請の支援をしている弁護士の猪股正さん(首都圏生活保護支援法律家ネットワーク)は、この活動を開始(4月21日)してから5月22日までの間に71件の相談、照会があったことを報告しました。

 また、5月1日に「生活保護110番」をやったとき、1日に103件の電話が殺到したそうです。猪股さんは、「本来はこのようなことはあってはならないこと」としながら、大事なことは貧困をなくすことであり、政府の規制緩和によってどんどん貧困が生み出され、声を上げにくい状況にあるなか、貧困の問題を直視することの必要性を訴えました。ホームレスの活動支援・法律相談を行っている弁護士の森川清さん(ホームレス総合相談ネットワーク)は、6月28日にネットカフェ難民の人を対象に法律相談を行うそうです。情報がいきわたっていないので、人海戦術でネットカフェを回って歩くそうです。はじめての試みだそうです。

「路上生活に戻りたくない」ホームレスの人たちの切実な訴え
 公園撤去を条件にアパートに入居したホームレスの人たちが、東京都から、2年経ったことを理由にアパートを退去することを求められています。「路上生活に戻りたくない」「地域で暮らしていきたい」との思いを訴えるために、退去を求められた人たちが東京都を相手に裁判を起こしました。その原告の1人である山本さんが、裁判についての報告と支援を呼びかけました。山本さんのお話によると、公園撤去を条件にアパートに入居したそうですが、当初の話では、仕事を出すとか、アパートの更新可能という条件であったそうです。ところが、実際は、月3回ぐらいしか仕事がなく、光熱費も負担しなければならず、なかには、食べるものがなくて炊き出しに行ったり、いろんなところをまわっている人たちもいて、ギリギリの生活を強いられているそうです。

 東京都から、2年経ったのでまた路上に戻りなさいという通知がきているそうです。山本さんは1年の延長があるそうですが、1年後には出なければならないそうです。最初は更新可能という条件であったのに、2年で打ち切られ、1年の延長があってもその後の更新はないという通知がきていることに対し、これは違法であるとして、東京都を相手に裁判を起こしたそうです。アパートに入っても2年で打ち切られ、また路上に戻らなければない。そのことを知らないで入ってくる人たちもいることを考え、いまのうちに裁判を起こさなければならないと思い、仲間(原告は全部で8名)と一緒に訴えを起こしたと山本さんは語りました。そのほか、作家の雨宮処凛さん、「東京都地域精神医療業務研究会」の木村朋子さん、「グッドウィルユニオン」の梶屋大輔さんがそれぞれ訴えを行いました。

※2007年7月1日(日)13時30分(開場13時)より、社会文化会館(東京都千代田区)で、「もうガマンできない!広がる貧困 人間らしい暮らしを求めてつながろう」と題する集会を行います(主催:反貧困ネットワーク準備会)。作られた対立を超え、「貧困問題に取組まない政治家はいらない」をテーマに討論をします。集会後、パレードを行います。また、参院選の全候補者にアンケートを実施し、集会で発表します。

(ひらのゆきこ)