World Urban Parks世界大会について、World Urban Parksジャパンの大会報告書に寄稿しました。

今年(2015年)の5月26日〜29日にポルトガルのポンテ・デ・リマで開催されたWorld Urban Parks世界大会について、World Urban Parksジャパンが大会報告書を発行し会員に配布しました。

以下は、私が寄稿したレポートです。(ブログでこれまでに連載したものに加筆しました)

World Urban Parks世界大会の基調講演、プレゼンテーションから
          World Urban Parks 初代理事 小口 健蔵

World Ueban Parksとなって初めての世界大会
大会は、第9回イベロアメリカ公園・庭園大会としても位置づけられ、@World Urban Parks Aスペイン公園・庭園協会(AEPJP)Bポンテ・デ・リマ市の三者が協力しての開催となりました。参加者はポルトガル以外から52名、総勢200名を超えました。会場は、Expolimaカンファレンスセンターというポン・テ・デリマ市所有の施設で、各種のトレードショーや乗馬の国際ジャンプ大会を開催できる場所の会議場でした。会議や公式ディナーは、会議場を使い、昼食や休憩スペースは、会議場の横に特設テントを立て開催されました。
大会の企画や運営には、World Urban Parksのヨーロッパ支部事務局長のクリスティ・ボイラン氏(アイルランド)、マヌエル・ソウザ氏(World Urban Parksポルトガル代表コミッショナー)、アレクサンドラ・エステベス氏(ポンテ・デリマ市長室長)の3名が中心となり、準備をしたそうです。
World Urban Parksとしては、この大会は新しい組織の国際的なお披露目の機会の一つとなりました。
※イベロ・アメリカとは、スペイン語で、イベリア半島のスペイン・ポルトガルと、かつてその植民地だった南北アメリカ諸国の総称です。
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開会のあいさつをするポンテ・デ・リマのビトー・メンデス市長 
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World Urban Parksについてプレゼンするディグビー・ホワイト氏(World Urban Parks事務局長)

ここで、World Urban Parksについて、おさらいすると、1957年に発足したIFPRA(国際公園レクリエーション行政管理連合)を母体として2015年4月に誕生した世界の都市公園とオープンスペース、そしてレクリエーション部門を代表する新しい国際的な非営利の会員組織です。
そのミッションは、世界各地で都市公園やオープンスペース及びレクリエーション施設の整備や効果的な管理、利用の促進などを支援し、自然と結びついた健康な社会づくりに重要な役割を果たすことです。
大会は、関係者が一堂に集まり、コミュニケーションを深め、それぞれの国の課題を相互に知る貴重な機会となります。

大会前日にWorld Urban Parksの理事会を開催し会長、副会長などを互選
前日に、World Urban Parksの理事会が開催されました。残念ながら、私は仕事の都合で25日に現地に着くことができなかったのですが、事務局からポルトガルでの理事会に参加できない理事のためにスカイプを使い遠隔地からも参加できるようにしますとの連絡がありました。そこで、羽田の国際線待合室の一角でスカイプ会議に参加しました。
理事会の重要議決事項の一つに役員の選出があります。3月までIFPRA会長であったエマニュエル氏(スイス)が暫定会長です。複数の理事からの推薦があり会長にはギル・ペノロサ氏(カナダ)が満場一致で選出されました。副会長は、当初1名の予定でしたが、World Urban Parksは発足したばかりであり、組織拡充など手ごわい仕事が山積していることから2名選出することが決まり、エマニュエル氏(スイス)とニール・マッカーシー氏(オーストラリア)が選ばれました。

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会長に選出されたギル・ペノロサ氏(カナダ)

会長になったギル氏が進めていること
World Urban Parksの一番の課題は、文字通り世界的組織になることです。前身の母体であるIFPRAがヨーロッパやアジア・太平洋地域の国々からの参加が中心で、南北アメリカからの参加は余りありませんでした。ギル氏は、南米コロンビアの首都ボゴタの公園緑地部長の経験があります。現在はカナダのトロントに住み8-80CitiesというNPOを主宰し、歩行者や自転車のための空間整備が都市には重要だと、ボゴタを世界的な歩行者天国・自転車都市にした実績をもとに各地の都市にこの考えを広めています。8-80Citiesの意味は、8歳から80歳まで、自立して安全に街中を歩き自転車に乗ることが出来る都市をつくることを目標にしていることからこの名前を付けたといいます。8歳というのは親が手を引かなくても自分で街を歩ける年齢ということです。
私は、ギル氏とは2014年8月にスウェーデンのマルメで開催された北欧公園会議で知り合いました。彼は基調講演者としてマルメに来ていました。マルメ市長主催の夕食会で隣り合わせになり、お互いどのような仕事をしてきたかなど会話が弾みました。「ケンゾー、明日の私の基調講演は是非聞いてくれ」といわれ、旅程の関係で私は翌日の基調講演会を予定していなかったのですが、急きょ参加することにしました。8-80Citiesの理念、ボゴタでの実績、これからの都市のあり方を一時間、ユーモアを込めエネルギッシュに語るギル氏に圧倒されました。
ギル氏が会長になることは、World Urban Parksを南北アメリカ始め世界各国に広めるのにふさわしい方だと思います。
ボゴタにおいて日曜・祝日の午前7時から午後2時まで、主要道路の片側車線を使って開催されているのがシクロビアと呼ばれている自転車・歩行者天国です。1974年に初めて実施されたこのシクロビアは年々、距離が延伸され、今や大都会ボゴタを網羅する総延長距離は121kmになります。利用者は100万人以上。また、自転車専用道路はシクロルータといい、総延長は200km以上あります。
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こうした経験を踏まえたうえで、ギルは言います。「公園は民主主義のシンボルであり、平等を体現する場所」だと。ニューヨークのデブラシオ市長が貧困層のための公園予算を増やすと発表したというニュースが前にありましたが、ギル氏はコロンビアのボゴタで富む者だけでなく、貧困にあえぐ人々のためにこそ、公園を整備し、彼らの生活を変えようと考え、実績を上げました。
セントラルパークを作ったオルムステッドの考えにインスパイヤーされたといいます。公園の理想を考えた先達、そして同時代人の思い、それらが今の時代の新しい価値をつくりだすために大きな役割を果たしています。
 ロンドンが東ロンドン地区の貧困層の問題を解決するために、ロンドングリッド計画を策定し、オリンピックを開き、いまは世界で最初の国立公園都市にロンドンをしようというのも「この民主主義と平等」という同じ文脈の上にあるのでしょう。

国際ガーデンフェスティバルが自慢のイベントに成長
ポンテ・デ・リマは、総人口が4万4千人の町です。町の中心部には2,800人が住み、ポルトガルで最も古い町として知られています。
毎年5月末から10月まで、リマ川の北側にあるポンテ・デ・リマ公園を会場に国際ガーデンフェスティバルを開催しており今年で11回を数えるといいます。
ポルトガルで唯一の国際ガーデンフェスティバルを開催していること、環境政策や町の自慢である風景の保全に力を入れていることも相まってポンテ・デ・リマがポルトガルの庭園首都であることを多くの市民が誇りに思っているという話でした。

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会場のポンテ・デ・リマ公園の全景  横をリマ川が流れています。(ポンテ・デ・リマ市HPより)

さらに、国際的な広がりを持たせようとWorld Urban Parks世界大会を誘致して町おこし
市長の話によると、このガーデンフェスティバルをさらに発展させ、庭園首都の地位を確固とするために、World Urban Parks世界大会を誘致したというのです。それだけではなく、イベリア半島のスペインとポルトガルと、かつてその植民地であった南北アメリカ諸国をメンバーとするイベロアメリカ公園・庭園大会も同時開催に持ち込みました。こうして、ポンテ・デ・リマの世界的認知度を上げ、町の再生や環境保全、観光振興、福祉向上をさらに推し進めたいとの考えと聞きました。
World Urban Parks世界大会を町の発展に生かそうという発想は大変うれしいことです。

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テープカットする環境大臣 (ポンテ・デ・リマ市HPより)

ポルトガル政府の支援も得て
国際ガーデンフェスティバルの開会式は、World Urban Parks世界大会の最終日に設定されており、ポルトガルの環境大臣がリスボンから来てオープニングのテープカットをしました。ポルトガル政府もWorld Urban Park世界大会を後援していただきました。ポンテ・デ・リマの市長なかなかのやり手です。

一日目のテーマはスマート・デザイン 
基調講演1は、World Urban Parkの事務局長であるディグビー・ホワイト氏によるWorld Urban Parkのプレゼンです。World Urban Parkの起源、目的、および利点を概説しました。
基調講演2は、大会の共催者であるスペイン公園庭園協会のVivirlosparguesディレクターのホセ・アリエッタ氏とタティアナデラトー氏によるVivirlosparguesについてのプレゼンでした。
Vivirlosparguesは、スペイン公園庭園協会が、この数年力を入れて開発しているICTツールで、スペインの主要な公園をGISと連動させオンライン上で探検することが出来るようにしたオンライン・データベースです。
Vivir los pargues は 英語に訳せば To live Parks です。日本語だと「公園生活」でしょうか。
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スペイン公園庭園協会ホームページより
(出典 スペイン公園庭園協会HP)

開発の目的は、アクセスすることにより、公園に関する様々な情報や知識が得られ、専門家や公園の利用者間の経験の交換を促進することです。
この3月にスペイン公園庭園協会の会長に選出されVivirlospargues開発の責任者のフランシスコ・ベルグア氏はいいます。

「Vivirlosparguesは、企業、技術者、政府、市民の参加を奨励する大きなショーケースです。これからますます大きな影響力をもつことになるでしょう。公園や庭園の現実と多様性を理解するのに役立ちます。」
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スペイン公園庭園協会会長
(出典 スペイン公園庭園協会HP)

Vivirlosparguesについて詳しくは、Webサイトを見てください。
http://aepjp.es/index.php/red-de-parques-y-jardines

基調講演その3は、モロッコのマール・シカの大がかりなラグーン開発プロジェクトの進行状況についてのプレゼンでした。打ち捨てられゴミが溜まるラグーンの清掃から着手し、新たに海水の流路をつくり、海水流入を改善して生態系を回復するとともに、リゾート開発を進め、地域経済に貢献しているプロジェクトについて開発企業のマール・シカ・メッドの担当者がプレゼンしました。

基調講演のあとの主な発表テーマと発表者は次の通りです。
■「マヌエル・ストリート・パーク(ヨハネスブルグ)の改善と復旧戦略」 - エマニュエル・マッフォロゴ(南アフリカ)
■「メルボルンのホイットルシーにおける雨水活用プロジェクト」 - スティーブン・コンベン(オーストラリア)
■「先祖伝来の公園 」イザベル・クート(ポルトガル)
■「スマート公園:ケープタウンの公園の計画へのアプローチ」 ブラッドリー・バーガー(南アフリカ)
■「ベルゲン市の緑と青の基本計画策定と経営管理」シセル・リラム(ノルウェー)
■「東京都の防災公園計画とその運用管理」上杉俊和・細川卓己(日本)
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プレゼンする細川卓巳氏
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プレゼン後質問を受ける上杉俊和氏、細川卓巳氏

東京都公園協会の上杉・細川両氏による防災公園の話には、大きな反響がありました。ヨーロッパには地震が余りないので、防災公園という考えは普及していません。前に北欧公園会議のCIPPワークショップで私が東京における防災公園整備の話をしたところ、ドイツの大学で教えているという方から、自分も大学で災害時の公園の役割を教えているが、テキストでは第二次世界大戦の爆撃から生き延びるためにどう公園を使ったかという話をしているということでした。そこで、上杉・細川両氏に日本の防災公園の事例を系統立てて話してもらいました。参加者に防災公園の認識が深まったと思われます。
会議終了後、会場に近いリマ川の畔で記念植樹セレモニーがありました。
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二日目 テーマはスマート・メンテナンス
基調講演1は「モザンビークのマプト市における都市の持続可能性と公共緑地適格性の再確認」をマプト市のントニオ・ロドリゲス公園緑地部長が講演しました。
基調講演2は、「スマートそして持続可能な公園や公共部門の設計」をテーマにドバイ、アラブ首長国連邦からピーター・スコット氏が、レポートしました。
ピーター・スコット氏は、オーストラリア出身で、ランドスケープや建築分野のデザインマネジメントやビジネス開発、マーケティング、財務計画、マスター計画、コンセプトづくり、ゴルフコースの造成などを中心に、オーストラリア、中国、ヨーロッパ、東南アジア、アフリカ、アフガニスタンや中東などで世界的に活躍しています。
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ピータースコット氏
(写真出典:大会事務局HP)
彼は、CREATESを構成するアルファベットそれぞれを頭文字にする7つの言葉で、スマートパークづくりについて話をしました。自身の作品も含めイメージ豊かな画像を活用したプレゼンで、彼の考えていることがよく伝わってきました。また、世界のクライアントを納得させる術をもっている人だと思いました。
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(図版出典 ピーター・スコット氏)
CREATESを構成するアルファベットそれぞれを頭文字にする7つの言葉の説明は次の通りです。

C - Connect (a sense of belonging, living for human beings, custodians of landscape, social spaces, safety, neighborhood)
R - Restore (culture, understanding the legacy, create for future grandchildren)
E – Enrich (create diversity, identity and character, quality)
A – Activate (get rid of dead spaces, live in a ‘park’, spaces people can use)
T – Transport (people need to get places, new ways of access, public transport, cycleways, walkability)
E – Economy (do the principles within the budget, local economy, global position, mixed use, business opportunities)
S – Sustain (health and well-being, ecology, infrastructure, leisure and recreation
Peter noted that ‘collaboration is the rule’ and there was advantage in involving all stakeholders.
ピーター・スコット氏が、プレゼンしたパワーポイントが大会のHPに掲載されています。下のアドレスです。
(パワーポイントの枚数が70枚以上あり、UPするのに時間がかかりますが見る価値は十分あります。)
http://congresso2015.cm-pontedelima.pt/wp-content/uploads/2015/06/Peter_Scott.pdf

3番目の基調講演は、ポルトガルのポルト大学のパウロ・マルケス氏「ワイルド・ガーデンズ:デザイン、多様性とメンテナンス」と題して、ローカルな種、花、草、および自然な素材を使用することの重要性を話しました。

コーヒーブレイクの間には、各国から参加した団体のメンバーがお互いに自己紹介します。日本からはIFPRAジャパン(現World Urban Parksジャパン)、公園財団、東京都公園協会の3団体。マレーシアのMyParks、中国公園協会、スペイン公園庭園協会、シンガポール公園レクリエーション研究所、スウェーデン公園協会、南アフリカの環境とレクリエーション管理研究所、アイルランドとポルトガルの景観研究所のメンバーが車座になりました。
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写真 休憩時に輪になって自己紹介する参加者
(写真出典 大会事務局HP)

休憩に引き続いて、プレゼンテーションです。
主な発表は次の通り
■「管理計画 - 公共の緑の空間を認定するためのスマートツール」 - ディオゴサントス・マトス、ポルト大学(ポルトガル)
■「スウェーデン マルメ市の」ステン・ヨーランソン(スウェーデン)
■「公園の品質に焦点をあてたノルディック緑地賞」 - ゴラン・ニルソン(スウェーデン)
■「ブラジリアの公園整備と緑の質」 - 。マルセラ・ダモッタ(ブラジル)
■「都市林のスマート、安全で、健康的な管理」ペドロ・マルティネス(ポルトガル)

マルメ市の公園道路課のステン・ヨーランソン氏のRosengård地区の街路整備の発表に興味が惹かれました。氏は、スウェーデン公園管理者協会の会長でもあります。
昨年の夏、筆者はステン・ヨーランソン氏が陣頭指揮をしたマルメ市で開催した北欧公園会議に参加しました。北欧公園会議は、4年ごとに北欧諸国のいずれかの都市をホストとして開催しています。
マルメ市は、スウェーデン第2の都市で、隣国デンマークの首都コペンハーゲンとは橋でつながっており、近年産業構造改革を大胆に進め、移民が多く人口31万人を擁する急成長多文化都市です。コペンハーゲンからは車でも鉄道でも30分圏内にあり、経済圏を共有しています。コペンハーゲンと同様に自転車を優遇する都市づくりをしています。
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マルメ地図

ステン・ヨーランソン氏の発表は、市の中心部に位置するRosengård地区の2004年から2014年までの街路整備の取り組みで、自転車や歩行者のための空間を積極的に整備するとともに、街路の結合点にミーティングプレイスを配置し、自動車から自転車や歩くことへの転換、緑化の推進などでCO2削減をし、街の賑わい創出や住民のコミュニケーション活性化を目的にしているとのレポートでした。街路を時代に合わせてを複合的視点でリニューアルしていることに納得するとともに感心しました。

三日目のテーマはスマート・プロモーション
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講演するガルシア氏

基調講演1は、コロンビアのカトリックボリバル大学で景観デザインを教えるグロリア・ガルシア氏です。テーマは、「コロンビア・メデジン市の公園をめぐる5つの文脈」。
氏は、大学に勤める前は、景観デザインのコンサルタントとしての豊富な経験を持ち、IFLAの学生コンペ・コンクールの審査員を務めるなど国際的な活躍もしている方です。
今回の基調講演は、自身が働く大学があるメデジン市の公園緑地整備についての言及です。
 メデジン市は、コロンビア第2の都市で人口250万人。コロンビアの中央部に位置し、周囲を丘で囲まれた谷筋に街が成立しています。20年前は世界で一番危険な都市と呼ばれていました。麻薬密売組織「メデジン・カルテル」を創設したエスコバルが「麻薬王」として世界中に悪名を轟かせた街です。
 2013年に米紙ウォールストリート・ジャーナルとシティグループ実施した「今年の最も革新的な都市」コンテストで、メデジン市が、最終審査に残ったニューヨークやテルアビブを押え1位に輝きました。
近代的な交通網や公立図書館、スラム街と学校に設置したエスカレーターなどが社会統合に貢献していることが評価され、選ばれたといいます。
メデジン市は、エスコバルの死後、世界一危険な都市という汚名を返上しようと、様々な取り組みをして来ました。
コロンビアで唯一の地下鉄を整備し、貧困層の住む山腹のスラム街からエスカレーターやロープウェイで地下鉄駅へ結びます。スラム街に公共図書館を整備したほか、公園やスポーツ施設の充実に力を注ぎました。
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新しく整備したスポーツ公園
写真出典 メデジン市HP

グロリア・ガルシア氏は、メデジンは、丘に囲まれ、中央を流れる川が、景観デザインにとって重要な地理的・歴史的文脈をもち、これを生かして街づくりをすることが大切だと力説していました。
現在、川の両岸は自動車道路で占有されていますが、地下鉄を伸ばし、公共交通機関の活用や自転車・歩行者空間の整備で車線を減らし道路を地下に潜らせることで、川岸には広い緑地を整備するプランを鳥瞰アニメーションで見せてくれました。

今回のWorld Urban Parks世界大会のメインテーマは、「SmartParks and Gardens」です。
このテーマにした理由を大会ディレクターの一人であるマヌエル・スーザ氏は次の三つだといいます。
@公園や庭園を新しく作ったり、メンテナンスする場合、より低コストにすることが求められていること
AICTを活用して管理を効率化したり、品質を保持すること、利用者を確保することがこれからますます必要になること
Bデザイン、メンテナンス、プロモートに新しいモデルを見つける必要があること

大会3日目の基調講演2は、米国インディアナ・大学エプリー研究所のスティーブ・ウォルター氏による「スマートパークのための革新的な技術」です。
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スマートパークスにはまだ定義がありません。どう定義すべきかという話から始まりました。スマートシティ、スマートコミュニティ、スマートビルディングなどスマートを頭につけた用語は、建築や街づくりの分野ですでにあります。公園分野ではまだこれから議論しなければならないといいます。
今回の基調講演で、氏は、技術の進展が及ぼす公園の4つの領域を設定し、それぞれで、どのような取り組みがされるのかを提示しました。
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技術の進展が影響を及ぼす公園の4つの領域

 情報活用    植栽管理
 利用促進    環境配慮

それぞれの領域でのスマートパークスの取り組み
■情報活用
•本部データと携帯機器をつなげ、許可業務、財産管理、作業順序の追跡、特別な設備の使用を管理する
•気候と気象データを活用し灌漑、水利用、水貯留および環境資源の適切な管理をする
•専門的なサービスを必要とするエリアでの場の活用
•公園内の植物や垣根の最適なライフサイクルのための条件評価
•樹木を含む植物種の管理と目録作成、外来種の管理
■植栽管理
•ロボット芝刈機
•無人芝刈機
•検査のセキュリティのためのUAV(無人航空機)
•灌漑の設計と水分センサー
•LED動作検出園路照明
•拡張現実感(AR) - バーチャルトレーニング
•草刈を必要としない自然景観づくり
•環境配慮した車や船舶
•移動における最短ルート設定
•リサイクル・コンポスト施設
•光害を減少させる設計
•適切な設計と建設により公園からの騒音を最小限に抑える
■利用促進
•WiFiあり、またはWiFiなし
•特別使用許可のためのアプリ
•使用頻度の高い領域を特定するためのアプリ
•健康処方のためのアプリ
•アプリは、リアルタイムで公園の持続可能性のKPIを提供します
•コミュニティイベント促進のためのアプリ
•健康づくりや活動プログラムへの参加を促すアプリ
•したいときにいつでも寄付ができるアプリ
•公園に関する意思決定への参加促進
•その場で解説や教育が可能なアプリ
■環境配慮
•風力・太陽光発電所
•アート風力発電所
•水貯留システムと計画
•災害と事業継続計画
•よく考えた隣接地のデザイン
•スマート芝、人工芝
•非飲用水の活用
•LEED建物(持続可能)
•改修や新設による環境負荷の低減
•KPIに基づいたオンライン環境監視

スティーブ・ウォルター氏の話は、米国国立公園局のグリーンパークスプラン(GPP)の取り組みと重なる部分がたくさんあります。
グリーンビルディング (Green Building)という考え方があります。日本語でいうと、「環境配慮型建物」「環境配慮型不動産」「環境に優しい建物」などと訳します。
一般的な建物と比べて、エネルギー、水、天然資源の使用量が少なく、廃棄物の発生量も少ない、そこに住む人々にとって、より健康的な建物をいいます。
公園にもこの考えを導入して取り組んでいるのが米国国立公園局です。
2012年のアースデーに、管内の国立公園で省エネ、省資源、廃棄物の減少、リサイクルの徹底などを目標管理するグリーンパークスプラン(GPP)を発表しました。

グリーンパークスという言葉は、まだ世界でもあまり使われていません。ネットで調べた限りでは日本でも使っているところはないようです。日本でも、グリーンパークスの考え方を広めたいものです。
「スマート」の考え方にも、公園の場合さまざまな観点からの検討が必要になります。「グリーンパークス」と同様に「スマートパークス」の検討が日本においても急務だと思います。

日本からのプレゼンテーション
この日は日本から二つのプレゼンをしました。一つは公園財団・公園管理運営研究所の高橋悦子氏・平松玲二氏がまとめた「国営公園における大規模花修景によるプロモーションについて―国営昭和記念公園のコスモスによる花修景を事例として―」。もう一つは、私が発表した「公園管理から公園経営へ 東京都庁の挑戦」です。
 高橋悦子氏のプレゼンでは、コスモスを大空間に咲かせ、多くの人を魅了することや様々な工夫で公園への入場者を増やしていること、こうした手法を他の国営公園でも応用し、ひたち海浜公園のコキアやネモフィラの花畑が死ぬまで行きたい世界の絶景に選ばれていると紹介すると驚きと温かい笑いが会場に広がりました。
 私のプレゼンでも、財政危機で公園の維持管理費が4割削減される中、公園経営という考え舵を切り替えた話は、予算削減は先進国共通の悩みでもあることから関心をもって聞いてもらえました。リーマンショックの後、東京お台場の潮風公園に高さ18メートルのガンダム像を立てて、アニメ産業の振興や地元経済活性化に貢献した話など、公園に立つガンダム像の画像を見て大変驚かれました。
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プレゼンする高橋悦子氏
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プレゼンする筆者

大会はこれから毎年開催されます。是非参加を!
世界の公園関係者は私たちと同じように悩んでいて答えを見出したいと考えています。先進国はどこも予算の削減や人口動態への対応に悩み、発展途上国は急増する都市人口への対応に悩んでいます。その答えを導きだすためのヒントがWorld Urban Parksの大会には凝縮されています。
今回日本からの3レポートとも大変興味を持たれ、日本の取組みは世界的に見てかなりの水準になることを確認できました。
 大会は、フェイスツーフェイスで世界とネットワーク構築ができる機会でもあります。異文化に触れ、自らを振り返ることも大事な役割であるといえます。
日本と世界の公園の発展に向けて読者諸兄の大会への積極的参加を期待します。

World Urban Parks のニュース2015年10月号がアップしました。

World Urban Parks のホームページにアクセスすれば、どなたでも無料で見ることができます。アクセスした画面の右上に言語を選ぶボタンがありますので、日本語でも読むことができます。

ニュース10月号にアクセスしたい方は、下のツイッター「パークマネジメントのヒント」の該当アドレスをクリックして見てください。



10月号の内容は、次の通りです。(翻訳はWorld Urban Parksジャパン事務局です。)

■ World Park News10月号には、大規模公園の専門部会/委員会の設置、World Parks Day 2015、世界の公園、World Urban ParksのNational Association、会員およびパートナーシップ委員会、世界の都市公園のランク付け、来年のWorld Urban Parks大会、イベント・大会情報等の記事が掲載されています。
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<World Park News10月号 概要>
1)大規模公園の専門部会/委員会の設置
2015年9月2〜4日にスウェーデン、ストックホルムで開催された大都市における大規模公園会議において、World Urban Parks内に大規模公園の専門部会/委員会をつくることが受け入れられ、会議最終日に会議主催者のWWF、エコロジカルパーク協会とWorld Urban Parksが共同でプレスリリースを行いました。

2)World Parks Day 2015
アイルランド、ポーランド、ネパール、オーストラリアなど世界各地で行われたWorld Parks Dayのイベントについて書かれています。日本については、国営武蔵丘陵森林公園のヨガ教室から各地でコスモスまつりが行われたこと、国営木曽三川公園のスタッフブログに取り上げられたことなどが紹介されました。

3)世界の公園
フランスで最大規模公園のひとつ、リヨンにあるテット・ドール公園(105ha)について紹介されています。1957年につくられたこの公園には、バラ園、植物園、動物園などがあります。この公園は、2005年にISO14001を取得しています。

4)World Urban ParksのNational Associationの紹介
・Asociación Española de Parques y Jardines Públicos (AEPJP)
 スペインの都市公園・庭園の職能団体 設立:1973年 会員数:約400人
・Parks and Leisure Australia(PLA)
 オーストラリアの公園・レジャー部門の職能団体 前身組織の設立:1925年 会員数:2500人以上
・Generate
 ニュージーランドとオーストラリアにおける公園、スポーツ、レクリエーションの若手専門家のサポート組織。

5)会員およびパートナーシップ委員会
この委員会では、会員拡大、会員内外のコミュニケーション、ネットワーキング、 パートナーシップやWorld Parks DayやHealthy Parks and Healthy Peopleなどのプログラムを担当します。
この委員会の委員になりたい方は、chair@generatenetwork.orgまでご連絡ください。

6)世界の都市公園についてランク付けすることは不可能か?
世界の都市公園のランク付けができるかどうかについて、先月のWorld Park Newsで取り上げましたが、異なる大陸の公園をランク付けするのは不可能だ、客観的な基準がないのに異なる公園を比較するのは難しい、など寄せられたコメントが紹介されています。

7)来年のWorld Urban Parks大会のお知らせ
・2016年ヨーロッパ支部大会
来年のヨーロッパ支部大会はHORTIS(フランスの緑地管理者の協会)と共同で開催されます。
概要は以下の通りです。
開催日程:10月6〜8日(5日:World Urban Parks会員のワークショップ、会議等開催)
開催地:フランス、アルビ(旧市街地が世界遺産に登録されています。)
大会テーマ:遺産と文化、都市における緑地や自然空間が果たす役割(経済、社会、景観の面)
参加見込み:約250人
発表言語:フランス語、英語

・2016年世界大会
World Park News11月号上でお知らせできる見込みです。

8)イベント・大会情報
(a) PLA全国大会
開催場所:シドニー(オーストラリア)
開催日:2015年10月25〜28日

(b)NZRA全国大会
開催場所:ウェリントン(ニュージーランド)
開催日:2015年11月18〜20日

World Urban Parks では、個人会員、企業・団体会員を募集しています。詳しいことはWorld Urban Parksジャパン事務局にお問い合わせください。
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World Urban Parks ジャパン事務局
一般財団法人 公園財団 内
〒112-0014 東京都文京区関口1丁目47番12号
        江戸川橋ビル2階
電話  03-6674-1188
FAX  03-6674-1190
http://worldurbanparksjapan.jp/
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World Urban Parks のニュース2015年9月号がアップしました。

World Urban Parks のホームページにアクセスすれば、どなたでも無料で見ることができます。アクセスした画面の右上に言語を選ぶボタンがありますので、日本語でも読むことができます。

ニュース9月号にアクセスしたい方は、下のツイッター「パークマネジメントのヒント」の該当アドレスをクリックして見てください。


9月号の内容は、次の通りです。(翻訳はWorld Urban Parksジャパン事務局です。)
■ World Park News 9月号
World Park News 9月号には、世界の都市公園ベスト10の基準とは、World Urban Parks 最新状況、World Parks Dayイベント世界各地で開催、支部委員会や常設委員会の活動への 参加募集、世界の公園、World Urban ParksのNational Associationの紹介、World Urban Parksについて書かれた記事、イベント・大会情報などが掲載されています。

<World Park News 9月号 概要>
a)世界の都市公園ベスト10の基準とは
ウェブサイト等で発表される世界の都市公園ベスト10は、主観的に選ばれていることが よくあります。
最近、ガーディアン紙で建築評論家のRowan Moore氏が選んだ世界の公園ベスト10が 取り上げられました。
http://www.theguardian.com/culture/2015/aug/07/10-best-parks-urban-green-spaces-high-line-new-york-hampstead-london-park-guell-barcelona

World Urban Parksは、都市公園やオープンスペース、レクリエーションの推進者として、 英国のグリーン・フラッグ賞のような、指針や客観的基準をつくることが期待されています。

この指針や客観的基準について継続的に議論することにより、質の高い公園を高く評価し、 おそらくどの公園にも少し「最高の公園」の要素を生み出すことにつながると思います。

会員の皆様が選ぶ世界の公園トップ10と、そのリストの基準について、下記World Urban Parks事務局までお知らせください。
office@worldurbanparks.org cc CEO@worldurbanparks.org

b)World Urban Parks最新状況
●World Urban Parksの広報
World Urban Parksのご案内(1ページの概要版)を作成し、またTwitterを始めましたので、 これらの配布・活用をお願いします。
Twitterのハンドル名: @WUParks
新たに2、3か月ごとに気候変動やヘルシー・パークス・ヘルシー・ピープル、高齢者など異なるテーマの情報のやり取りや活動を行います。

●会費を改定しました(会員区分により会費の増減あり)
会費は安定した通貨のUSドル建てとし、会費体系を単純化して団体会員の事業規模による会費区分を10段階から4段階に減らすなどの変更を行いました。
詳しくは添付ファイルをご覧ください。

●会員特典について
2015年の会員コンタクトリストを間もなくeメールにて配布しますので、ご活用ください。
またOutdoor Design Source誌を無料で会員に送付します。

c)World Parks Dayイベント世界各地で開催
第8回World Parks Day(9月19日(土))のイベントが世界から寄せられ、リストが下記ウェブサイトに掲載されています。
日本からは、国営公園から海ノ中道海浜公園、讃岐まんのう公園、昭和記念公園、淀川河川公園、滝野すずらん丘陵公園、武蔵丘陵森林公園、越後丘陵公園、ひたち海浜公園、アルプスあづみの公園と、足立区のベルモント公園のイベントが掲載されています。
海外のイベントについては、下記ウェブサイトをご覧ください。
http://worldurbanparks.org/news-events/world-parks-day

d)支部委員会や常設委員会の活動への参加募集
各支部の委員会や常設委員会のKnowledge and Standards Standing Committeeと Membership and Partnerships Committeeは、活動にご参加くださる方の募集をしています。
ご関心のある方はCEOまでお知らせください。

e)世界の公園
ポーランドのホジュフにある、Silesia Parkが紹介されています。
この公園は、3つの都市にまたがる荒廃した産業跡地の再生プロジェクトとして 1950年につくられ、面積は620haとヨーロッパの最大級の公園のひとつとなっています。

f)World Urban ParksのNational Associationの紹介
VVOG(ベルギー、フランダース地方の自治体からなる組織)、HORTIS(フランスの組織)の2組織が紹介されています。

g)World Urban Parksについて書かれた記事
HORTISの機関誌“de Ville en Ville”9月号、およびVVOGの機関誌“Groencontact” 7-8月号に掲載された記事がそれぞれ原語(フランス語、オランダ語)で掲載されています。

h)イベント・大会情報
(ア) Best of Both Worlds (環境教育の国際会議)
開催場所:サバ州(マレーシア)
開催日:2015年9月6〜12日

(イ) NRPA大会2015
開催場所:ラスベガス(米国)
開催日:2015年9月15〜17日

(ウ) IERM大会
開催場所:ヨハネスブルグ(南アフリカ共和国)
開催日:2015年9月28〜30日

(エ) Hortis大会
開催場所:マルセイユ(フランス)
開催日:2015年10月1〜3日

(オ) PLA全国大会
開催場所:シドニー(オーストラリア)
開催日:2015年10月25〜28日

(カ)NZRA全国大会
開催場所:ウェリントン(ニュージーランド)
開催日:2015年11月18〜20日

World Urban Parks では、個人会員、企業・団体会員を募集しています。詳しいことはWorld Urban Parksジャパン事務局にお問い合わせください。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
World Urban Parks ジャパン事務局
一般財団法人 公園財団 内
〒112-0014 東京都文京区関口1丁目47番12号
        江戸川橋ビル2階
電話  03-6674-1188
FAX  03-6674-1190
http://worldurbanparksjapan.jp/
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
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World Urban Parksジャパンのウェブサイトおよびメールアドレスが変わりました。

IFPRAがWorld Urban Parksに組織が変わったことに伴い、

日本の組織IFPRAジャパンも6月からWorld Urban Parksジャパンに
名称を変更しました。

これまで、ウェブサイト、メールアドレスは従来のままでしたが、このたび
変更が完了しました。

新しいURLとアドレスは次の通りです。

ウェブサイト: http://worldurbanparksjapan.jp/

  メール : worldurbanparksjapan@prfj.or.jp

World Urban Parksへの入会などお問い合わせは、
次のWorld Urban Parks ジャパン事務局へお願いします。

**********************************************
World Urban Parks ジャパン事務局
一般財団法人 公園財団 内
〒112-0014 東京都文京区関口1丁目47番12号
        江戸川橋ビル2階
電話  03-6674-1188
FAX  03-6674-1190
***********************************************
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World Urban Parks のニュース2015年8月号がアップしました。

World Urban Parks のホームページにアクセスすれば、どなたでも無料で見ることができます。アクセスした画面の右上に言語を選ぶボタンがありますので、日本語でも読むことができます。(ただし機械翻訳ですので完璧に訳されているわけではありません。)

ホームページにアクセスしたい方は、この記事の最後に掲載しているツイッター「パークマネジメントのヒント」の該当アドレスをクリックして見てください。

World Urban Parks に加入している日本の団体会員と個人会員とで、World Urban Parks ジャパン という任意団体を形成しています。事務局は一般財団法人 公園財団内にあります。

事務局から、会員宛に必要な情報がメールで届きます。

以下は、事務局からのWorld Park News8月号がアップされたことのお知らせです。事務局が翻訳した8月号の概要が記載されています。こちらは機械翻訳ではありませんので、内容がよくわかります。

World Park News8月号には、World Urban Parks会長からのメッセージ、
組織の基盤づくりの状況、World Parks Day 2015、世界の公園、Linkedinを
通じた意見交換、World Park Newsの読者層、プロジェクト関連e-Newsletter、
近刊紹介、イベント・大会の情報などが掲載されています。
----------------------------------------------------------------
<World Park News 8月号 概要>

1)会長からのメッセージ
会長が設立し、代表を務める8-80 Citiesについて、紹介されています。

8-80 Citiesは、10年前に設立された、トロント市(カナダ)を拠点とする
NPOで、8歳の子供や80歳の高齢者にとって、安全で移動しやすい、活気に
満ちた都市をつくれば、すべての人にとって暮らしやすい都市ができるという
前提に基づき活動していること、持続可能な移動手段や公園および公共空間の
プロジェクトを通して、都市がこのコンセプトを実現するのを支援していること
などが紹介されています。

2)組織の基盤づくりの状況
下記をはじめ、World Urban Parksが行っている様々な組織の基盤づくりが
紹介されています。

●承継された連携、新たな連携
・IFPRA Academy :World Parks Academyに名称変更し、CPPについて
national associationや大学等との提携を開始。
・Yardstick:サービスを増やし、低料金のオンライン上のベンチマーキング
プログラムWorld Urban Parks Annual Indicatorsを提供。
・若手専門家の組織、Generate Network:緊密に連携する覚書を締結。
・IFLAと締結した覚書:より緊密な協力を実施。

●最新の会員リスト:会員にまもなく配布予定。

3)World Parks Day 2015
第8回World Parks Day:9月19日(土)
イベント情報の提供やWorld Parks Dayの広報を依頼する記事です。
新たに作成したロゴや提供されたイベント情報のリスト(国別)など、
詳しいことは下記ウェブサイトをご覧ください。
http://worldurbanparks.org/news-events/world-parks-day

4)世界の公園 国営ひたち海浜公園
国営ひたち海浜公園の大規模花修景が紹介されており、5月のポルトガルの
大会で国営公園の大規模花修景について発表した(一財)公園財団の高橋悦子さん
の発表についても触れられています。
なお、この記事はWorld Urban Parks本部でまとめたもので、掲載されている
データは最新のものではなく、都心からの距離等に誤りがありました。
最新データは下記をご参照ください。
・開園面積200ha(計画面積350ha)
・年間入園者数: 177万人(H26年度)
・チューリップ:今春約260品種27万本
・コスモス:現在約300万本
・都心からの距離:約110km北東

5)Linkedinを通じた意見交換
Linkedinの“World Urban Parks Initiative”には、World Urban Parks会員
と世界の公園に影響を及ぼす問題に関心を持つ非会員合わせて現在480名が
参加しており、デザイン指針や戦略、関連記事など、活発な議論が行われて
いることが紹介されています。
この議論には下記ウェブサイトから参加できます。
https://www.linkedin.com/groups/World-Urban-Parks-4112250/about

6)World Park Newsの読者層
World Park Newsは、日本、ナミビア、チェコ共和国、インド、中国、ノルウェー
など35を超える国で読まれていること、e-Newsletterの開封数やよく読まれた
記事などについて書かれています。

7)プロジェクト関連e-Newsletter
    “Yardstick News”&“World Parks Academy Exchange”
YardstickやWorld Parks Academyでもe-Newsletterを出していること、
配信の申し込み先が書かれています。

“Yardstick News”
http://yardstickglobal.us10.list-manage2.com/subscribe?u=2e1bfb5d7862f93bd055c0cc8&id=79324e0ced

“World Parks Academy Exchange”
http://ifpra-academy.org/news/exchange/

8)近刊紹介
南アフリカ地域の自生の森の歴史や将来などについて書かれた
“The Durban Forest”が紹介されています。

9)イベント・大会情報
(1)WWF会議―大都市における大規模公園
開催場所:ストックホルム(スウェーデン)
開催日:2015年9月2〜4日

(2)Best of Both Worlds (環境教育の国際会議)
開催場所:サバ州(マレーシア)
開催日:2015年9月6〜12日

(3)NRPA大会2015
開催場所:ラスベガス(米国)
開催日:2015年9月15〜17日

(4)IERM大会
開催場所:ヨハネスブルグ(南アフリカ共和国)
開催日:2015年9月28〜30日

(5)Hortis大会
開催場所:マルセイユ(フランス)
開催日:2015年10月1〜3日

(6)PLA全国大会
開催場所:シドニー(オーストラリア)
開催日:2015年10月25〜28日


World Urban Parks では会員を募集しています。企業、団体、都道府県、市町村、NPO、NGO、個人、学生 どなたでも世界の都市公園の充実・発展に興味がある法人、個人の参加を歓迎します。

私またはWorld Urban Parksジャパン事務局にご連絡いただければ、詳しい説明をいたします。

World Urban Parksジャパン事務局のHPアドレス http://ifpra.jp/
(ホームページのタイトルは旧名 IFPRAジャパンになっています。)


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World Urban Parks世界大会レポート(その6)■大会第3日目 基調講演2 スマートパークのための革新的な技術

今回のWorld Urban Parks世界大会のメインテーマは、「SmartParks and Gardens」です。

このテーマにした理由を大会ディレクターの一人であるマヌエル・スーザ氏は次の三つだといいます。

@公園や庭園を新しく作ったり、メンテナンスする場合、より低コストにすることが求められていること
AICTを活用して管理を効率化したり、品質を保持すること、利用者を確保することがこれからますます必要になること
Bデザイン、メンテナンス、プロモートに新しいモデルを見つける必要があること

大会3日目の基調講演2は、米国インディアナ・大学エプリー研究所のスティーブ・ウォルター氏による「スマートパークのための革新的な技術」です。

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スマートパークスにはまだ定義がありません。どう定義すべきかという話から始まりました。スマートシティ、スマートコミュニティ、スマートビルディングなどスマートを頭につけた用語は、建築や街づくりの分野ですでにあります。公園分野ではまだこれから議論しなければならないといいます。

今回の基調講演で、氏は、技術の進展が及ぼす公園の4つの領域を設定し、それぞれで、どのような取り組みがされるのかを提示しました。
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技術の進展が影響を及ぼす公園の4つの領域

         情報活用    植栽管理
         利用促進    環境配慮

それぞれの領域でのスマートパークスの取り組み

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■情報活用
•本部データと携帯機器をつなげ、許可業務、財産管理、作業順序の追跡、特別な設備の使用を管理する
•気候と気象データを活用し灌漑、水利用、水貯留および環境資源の適切な管理をする
•専門的なサービスを必要とするエリアでの場の活用
•公園内の植物や垣根の最適なライフサイクルのための条件評価
•樹木を含む植物種の管理と目録作成、外来種の管理

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■植栽管理
•ロボット芝刈機
•無人芝刈機
•検査のセキュリティのためのUAV(無人航空機)
•灌漑の設計と水分センサー
•LED動作検出園路照明
•拡張現実感(AR) - バーチャルトレーニング
•草刈を必要としない自然景観づくり
•環境配慮した車や船舶
•移動における最短ルート設定
•リサイクル・コンポスト施設
•光害を減少させる設計
•適切な設計と建設により公園からの騒音を最小限に抑える

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■利用促進
•WiFiあり、またはWiFiなし
•特別使用許可のためのアプリ
•使用頻度の高い領域を特定するためのアプリ
•健康処方のためのアプリ
•アプリは、リアルタイムで公園の持続可能性のKPIを提供します
•コミュニティイベント促進のためのアプリ
•健康づくりや活動プログラムへの参加を促すアプリ
•したいときにいつでも寄付ができるアプリ
•公園に関する意思決定への参加促進
•その場で解説や教育が可能なアプリ

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■環境配慮
•風力・太陽光発電所
•アート風力発電所
•水貯留システムと計画
•災害と事業継続計画
•よく考えた隣接地のデザイン
•スマート芝、人工芝
•非飲用水の活用
•LEED建物(持続可能)
•改修や新設による環境負荷の低減
•KPIに基づいたオンライン環境監視


先にこのブログで紹介した米国国立公園局のグリーンパークスプラン(GPP)の取り組みと重なる部分がたくさんあります。
「スマート」の考え方にも、公園の場合さまざまな観点からの検討が必要になります。
日本でも「グリーンパークス」と同様に「スマートパークス」の検討が迫られています。

World Urban Parks世界大会レポート(その5)■大会第三日目・テーマはスマート・プロモーション 基調講演1 

■三日目のテーマはスマート・プロモーション

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基調講演1は、コロンビアのカトリックボリバル大学で景観デザインを教えるグロリア・ガルシア氏です。テーマは、「コロンビア・メデジン市の公園をめぐる5つの文脈」。

氏は、大学に勤める前は、景観デザインのコンサルタントとしての豊富な経験を持ち、IFLAの学生コンペ・コンクールの審査員を務めるなど国際的な活躍もしている方です。

今回の基調講演は、自身が務める大学があるメデジン市の公園緑地整備についての言及です。

メデジン市は、コロンビア第2の都市で人口250万人。コロンビアの中央部に位置し、周囲を丘で囲まれた谷筋に街が成立しています。20年前は世界で一番危険な都市と呼ばれていました。麻薬密売組織「メデジン・カルテル」を創設したエスコバルが「麻薬王」として世界中に悪名を轟かせた街です。

2013年に米紙ウォールストリート・ジャーナルとシティグループ実施した「今年の最も革新的な都市」コンテストで、メデジン市が、最終審査に残ったニューヨークやテルアビブを押え1位に輝きました。

近代的な交通網や公立図書館、スラム街と学校に設置したエスカレーターなどが社会統合に貢献していることが評価され、選ばれたといいます。

メデジン市は、エスコバルの死後、世界一危険な都市という汚名を返上しようと、様々な取り組みをして来ました。

コロンビアで唯一の地下鉄を整備し、貧困層の住む山腹のスラム街からエスカレーターやロープウェイで地下鉄駅へ結びます。スラム街に公共図書館を整備したほか、公園やスポーツ施設の充実に力を注ぎました。

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新しく整備したスポーツ公園
写真出典 メデジン市HP

グロリア・ガルシア氏は、メデジンは、丘に囲まれ、中央を流れる川が、景観デザインにとって重要な地理的・歴史的文脈をもち、これを生かして街づくりをすることが大切だと力説していました。

現在、川の両岸は自動車道路で占有されていますが、地下鉄を伸ばし、公共交通機関の活用や自転車・歩行者空間の整備で車線を減らし道路を地下に潜らせることで、川岸には広い緑地を整備するプランを鳥瞰アニメーションで見せてくれました。

ユーチューブに同じ鳥瞰アニメーションがアップされています。


このプレゼンにならい、日本橋上空を占拠する首都高を地下に入れ、地上部は人々が憩うオープンスペースに変えることの素晴らしさを、現在の日本橋の様子がこう変えるんだという鳥瞰図をアニメーションにして見せたらと考えました。

World Urban Parks世界大会レポート(その4)■大会第二日目 テーマはスマート・メンテナンス

■二日目 テーマはスマート・メンテナンス
基調講演1は「モザンビークのマプト市における都市の持続可能性と公共緑地適格性の再確認」をマプト市のントニオ・ロドリゲス公園緑地部長が講演しました。

基調講演2は、「スマートそして持続可能な公園や公共部門の設計」をテーマにドバイ、アラブ首長国連邦からピーター・スコット氏が、レポートしました。
ピーター・スコット氏は、オーストラリア出身で、ランドスケープや建築分野のデザインマネジメントやビジネス開発、マーケティング、財務計画、マスター計画、コンセプトづくり、ゴルフコースの造成などを中心に、オーストラリア、中国、ヨーロッパ、東南アジア、アフリカ、アフガニスタンや中東などで世界的に活躍しています。

ピータースコット.PNG
(写真出典:大会事務局HP)

彼は、CREATESを構成するアルファベットそれぞれを頭文字にする7つの言葉で、スマートパークづくりについて話をしました。自身の作品も含めイメージ豊かな画像を活用したプレゼンで、彼の考えていることがよく伝わってきました。また、世界のクライアントを納得させる術をもっている人だなとも思いました。

CREATES.PNG
(図版出典 ピーター・スコット氏)
CREATESを構成するアルファベットそれぞれを頭文字にする7つの言葉の説明は次の通りです。

C - Connect (a sense of belonging, living for human beings, custodians of landscape, social spaces, safety, neighbourhoods)
R - Restore (culture, understanding the legacy, create for future grandchildren)
E – Enrich (create diversity, identity and character, quality)
A – Activate (get rid of dead spaces, live in a ‘park’, spaces people can use)
T – Transport (people need to get places, new ways of access, public transport, cycleways, walkability)
E – Economy (do the principles within the budget, local economy, global position, mixed use, business opportunities)
S – Sustain (health and well-being, ecology, infrastructure, leisure and recreation
Peter noted that ‘collaboration is the rule’ and there was advantage in involving all stakeholders.

ピーター・スコット氏が、プレゼンしたパワーポイントが大会のHPに掲載されています。下のアドレスです。
(パワーポイントの枚数が70枚以上あり、UPするのに時間がかかります。見る価値は十分あります。)
http://congresso2015.cm-pontedelima.pt/wp-content/uploads/2015/06/Peter_Scott.pdf


3番目の基調講演は、ポルトガルのポルト大学のパウロ・マルケス氏「ワイルド・ガーデンズ:デザイン、多様性とメンテナンス」と題して、ローカルな種、花、草、および自然な素材を使用することの重要性を話しました。

コーヒーブレイクの間には、各国から参加した団体のメンバーがお互いに自己紹介します。日本からはIFPRAジャパン、公園財団、東京都公園協会の3団体。マレーシアのMyParks、中国公園協会、スペイン公園庭園協会、シンガポール公園レクリエーション研究所、スウェーデン公園協会、南アフリカの環境とレクリエーション管理研究所、アイルランドとポルトガルの景観研究所のメンバーが車座になりました。

休憩を利用して.PNG
(写真出典 大会事務局HP)

休憩に引き続いて、プレゼンテーションです。
主な発表は次の通り
■「管理計画 - 公共の緑の空間を認定するためのスマートツール」 - ディオゴサントス・マトス、ポルト大学(ポルトガル)
■「スウェーデン マルメ市の」ステン・ヨーランソン(スウェーデン)
■「公園の品質に焦点をあてたノルディック緑地賞」 - ゴラン・ニルソン(スウェーデン)
■「ブラジリアの公園整備と緑の質」 - 。マルセラ・ダモッタ(ブラジル)
■「都市林のスマート、安全で、健康的な管理」ペドロ・マルティネス(ポルトガル)

マルメ市の公園道路課のステン・ヨーランソン氏のRosengård地区の街路整備の発表に興味が惹かれました。
氏は、スウェーデン公園管理者協会の会長でもあります。

昨年の夏、筆者はステン・ヨーランソン氏が陣頭指揮をしたマルメ市で開催した北欧公園会議に参加しました。北欧公園会議は、4年ごとに北欧諸国のいずれかの都市をホストとして開催しています。

マルメ市は、スウェーデン第2の都市で、隣国デンマークの首都コペンハーゲンとは橋でつながっており、近年産業構造改革を大胆に進め、移民が多く人口31万人を擁する急成長多文化都市です。コペンハーゲンからは車でも鉄道でも30分圏内にあり、経済圏を共有しています。コペンハーゲンと同様に自転車を優遇する都市づくりをしています。

マルメ地図.PNG

ステン・ヨーランソン氏の発表は、市の中心部に位置するRosengård地区の2004年から2014年までの街路整備の取り組みで、自転車や歩行者のための空間を積極的に整備するとともに、街路の結合点にミーティングプレイスを配置し、自動車から自転車や歩くことへの転換、緑化の推進などでCO2削減をし、街の賑わい創出や住民のコミュニケーション活性化を目的にしているとのレポートでした。街路を時代に合わせてを複合的視点でリニューアルしていることに納得するとともに感心しました。

World Urban Parks世界大会レポート(その3)■大会第一日目 テーマはスマート・デザイン

■一日目のテーマはスマート・デザイン 
基調講演1は、World Urban Parkの事務局長であるディグビーホワイト氏によるWorld Urban Parkのプレゼンです。組織の起源、目的、および利点を概説しました。

基調講演2は、大会の共催者であるスペイン公園庭園協会のVivirlosparguesディレクターのホセ・アリエッタ氏とタティアナデラトー氏によるVivirlosparguesについてのプレゼンでした。

Vivirlosparguesは、スペイン公園庭園協会が、この数年力を入れて開発しているICTツールで、スペインの主要な公園をGISと連動させオンライン上で探検することが出来るようにしたオンラインデータベースです。

Vivir los pargues は 英語に訳せば To live Parks です。日本語だと「公園生活」でしょうか。

スペイン公園庭園協会.PNG
(出典 スペイン公園庭園協会HP)

開発の目的は、アクセスすることにより、公園に関する様々な情報や知識が得られ、専門家や公園の利用者間の経験の交換を促進することです。

この3月にスペイン公園庭園協会の会長に選出されVivirlospargues開発の責任者のフランシスコ・ベルグア氏はいいます。

「Vivirlosparguesは、企業、技術者、政府、市民の参加を奨励する大きなショーケースです。これからますます大きな影響力をもつことになるでしょう。公園や庭園の現実と多様性を理解するのに役立ちます。」

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(出典 スペイン公園庭園協会HP)

Vivirlosparguesについて詳しくは、Webサイトを見てください。
http://aepjp.es/index.php/red-de-parques-y-jardines

基調講演その3は、モロッコのマール・シカの大がかりなラグーン開発プロジェクトの進行状況についてのプレゼンでした。打ち捨てられゴミが溜まるラグーンの清掃から着手し、新たに海水の流路をつくり、海水流入を改善して生態系を回復するとともに、リゾート開発を進め、地域経済に貢献しているプロジェクトについて開発企業のマール・シカ・メッドの担当者がプレゼンしました。

基調講演のあとの主な発表テーマと発表者は次の通りです。

■「マヌエル・ストリート・パーク(ヨハネスブルグ)の改善と復旧戦略」 - エマニュエル・マッフォロゴ(南アフリカ)
■「メルボルンのホイットルシーにおける雨水活用プロジェクト」 - スティーブン・コンベン(オーストラリア)
■「先祖伝来の公園 」イザベル・クート(ポルトガル)
■「スマート公園:ケープタウンの公園の計画へのアプローチ」 ブラッドリー・バーガー(南アフリカ)
■「ベルゲン市の緑と青の基本計画策定と経営管理」シセル・リラム(ノルウェー)
■「東京都の防災公園計画とその運用管理」上杉俊和・細川卓己(日本)

会議終了後、会場に近いリマ川の畔で記念植樹セレモニーがありました。

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(写真撮影 筆者)

World Urban Parks世界大会レポート(その2)■ポンテ・デ・リマの町おこし

ポンテ・デ・リマは、総人口が4万4千人の町です。町の中心部には2,800人が住み、ポルトガルで最も古い町として知られています。リマ川に架けられたローマ時代に作られた石造りのアーチ橋が街のシンボルです。

■国際ガーデンフェスティバルが自慢のイベントに成長
毎年5月末から10月まで、リマ川の北側にあるポンテ・デ・リマ公園を会場に国際ガーデンフェスティバルを開催しており今年で11回を数えるといいます。

ポルトガルで唯一の国際ガーデンフェスティバルを開催していること、環境政策や町の自慢である風景の保全に力を入れていることも相まってポンテ・デ・リマがポルトガルの庭園首都であることを多くの市民が誇りに思っているという話でした。

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会場のポンテ・デ・リマ公園の全景  横をリマ川が流れています。(ポンテ・デ・リマ市HPより)

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会場入り口(撮影・筆者) 

国際ガーデンフェスティバルは、毎年テーマが決められ、国内外から寄せられたプランの中から12の案が選ばれます。そして5か月間展示されるのです。今年のテーマは「庭の水」でした。

訪れる人々は、庭園デザインの新しい試みや創造性あふれる作品を見たり、触れたりしインスピレーションをわかします。

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(ポンテ・デ・リマ市HPより)

作品2.PNG
(ポンテ・デ・リマ市HPより)

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(ポンテ・デ・リマ市HPより)

12の作品は、審査員により審査を受けるとともに、フェスティバル入場者からの人気投票の対象にもなります。受賞作品は、翌年まで展示されるほか、その他の作品も本に印刷されたりカードになり、広く流布されます。フランスやオーストリアなどの国際庭園フェスティバルともネットワークを形成し、その価値を上げようとの努力もしています。

■さらに、国際的な広がりを持たせようとWorld Urban Parks世界大会を誘致して町おこし
市長の話によると、このガーデンフェスティバルをさらに発展させ、庭園首都の地位を確固とするために、World Urban Parks世界大会を誘致したのです。それだけではなく、イベリア半島のスペインとポルトガルと、かつてその植民地であった南北アメリカ諸国をメンバーとするイベロアメリカ公園・庭園大会も同時開催に持ち込みました。こうして、ポンテ・デ・リマの世界的認知度を上げ、町の再生や環境保全、観光振興、福祉向上をさらに推し進めたいとの考えと聞きました。

World Urban Parks世界大会を町の発展に生かそうという発想は大変うれしいことです。

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テープカットする環境大臣 (ポンテ・デ・リマ市HPより)



■ポルトガル政府の支援も得て
国際ガーデンフェスティバルの開会式は、World Urban Parks世界大会の最終日に設定されており、ポルトガルの環境大臣がリスボンから来てオープニングのテープカットをしました。ポルトガル政府もWorld Urban Park世界大会を後援していただきました。ポンテ・デ・リマの市長なかなかのやり手です。

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公園内には、レモンのトンネルがありました。鈴なりです。(撮影・筆者)

World Urban Parks世界大会レポート(その1)■World Urban Parksとなって初めての世界大会

今年2015年の5月26日(火)〜30日(土)にポルトガルのポンテ・デ・リマでWorld Urban Parksの世界大会が開催されました。筆者は、World Urban Parksの設立時理事であり、World Urban Parks設立後の最初の世界大会でもあることから参加しました。大会の様子など、数回に分けてレポートします。

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ポンテ・デ・リマの中心街の北側に流れるリマ川に架かる中世の橋
この橋にちなんで市の名前が付けられました。

■World Ueban Parksとなって初めての世界大会
大会は、第9回イベロアメリカ公園・庭園大会としても位置づけられ、@World Urban Parks Aスペイン公園・庭園協会(AEPJP)Bポンテ・デ・リマ市 の三者が協力しての開催となりました。参加者はポルトガル以外から52名、総勢200名を超えました。
大会の企画や運営には、World Urban Parksのヨーロッパ支部事務局長のクリスティ・ボイラン氏(アイルランド)、マヌエル・スーザ氏(World Urban Parksポルトガル代表コミッショナー)、アレクサンドラ・エステベス氏(ポンテ・デリマ市長室長)の3名が中心となり、2年前から準備をしました。
今大会は、World Urban Parksが2014年の4月から正式に発足して、最初の大会になります。World Urban Parksとしては、この大会は新しい組織の国際的なお披露目の機会の一つとなりました。

※イベロ・アメリカとは、スペイン語で、イベリア半島のスペイン・ポルトガルと、かつてその植民地だった南北アメリカ諸国の総称です。

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開会のあいさつをするポンテ・デ・リマのビトー・メンデス市長 
 
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World Urban Parksについてプレゼンするディグビー・ホワイト氏(World Urban Parks事務局長)

ここで、World Urban Parksについて、おさらいしますと、
1957年に発足したIFPRA(国際公園レクリエーション行政管理連合)を母体として2015年4月に誕生した世界の都市公園とオープンスペース、そしてレクリエーション部門を代表する新しい国際的な非営利の会員組織です。
そのミッションは、世界各地で都市公園やオープンスペース及びレクリエーション施設の整備や効果的な管理、利用の促進などを支援し、自然と結びついた健康な社会づくりに重要な役割を果たすことです。

大会は、関係者が一堂に集まり、コミュニケーションを深め、それぞれの国の課題を相互に知る貴重な機会となります。

■大会前日にWorld Urban Parksの理事会を開催し会長、副会長などを互選
大会前日の25日には、World Urban Parksの理事会が開催されました。残念ながら、私は仕事の都合で25日に現地に着くことができなかったのですが、事務局からポルトガルでの理事会に参加できない理事のためにスカイプを使い遠隔地からも参加できるようにしますとの連絡がありました。そこで、羽田の国際線待合室の一角でスカイプ会議に参加しました。
理事会の重要議決事項の一つに役員の選出があります。3月までIFPRA会長であったエマニュエル氏(スイス)が現在は暫定会長です。会長には、複数の理事からの推薦がありギル・ペノロサ氏(カナダ)が満場一致で選出されました。副会長は、当初1名の予定でしたが、World Urban Parksは発足したばかりであり、組織拡充など手ごわい仕事が山積していることから2名選出することが決まり、エマニュエル氏(スイス)とニール・マッカーシー氏(オーストラリア)が選ばれました。

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会長に選出されたギル・ペノロサ氏(カナダ)

World Urban Parksの一番の課題は、文字通り世界的組織になることです。前身の母体であるIFPRAがヨーロッパやアジア・太平洋地域の国々からの参加が中心で、南北アメリカからの参加はあまりありませんでした。ギル氏はもともとは、南米コロンビアの首都ボゴタの公園緑地部長の経験のある方です。現在はカナダのトロントに住み8−80CitiesというNGOの理事長をしており、歩行者や自転車のための空間整備が都市には重要だと、ボゴタを世界的な歩行者天国都市にした実績をもとに各地の都市にこの考えを広めている人です。8−80Citiesの意味は、8歳から80歳まで、自立して安全に街中を歩いたり自転車に乗ることが出来る都市をつくることを目標にしていることからこの名前を付けたそうです。8歳というのは親が手を引かなくても自分で街を歩ける年齢ということでした。
ギル氏が会長になることは、World Ueban Parksを南北アメリカ始め世界各国に広めるのにふさわしい方だと思います。私も理事の一人として、会長、副会長を支え、努力したいと考えています。

民主主義と平等の象徴としての公園

World Urban Parks のニュースが更新されました。会長のギル・ペノロサ氏のメッセージのタイトルは「民主主義と平等の象徴としての公園」です。

ギル氏は、南米コロンビアの首都ボゴタで自転車・歩行者天国づくりや自転車専用道、公園整備を中心になって進めた人です。

ボゴタにおいて日曜・祝日の午前7時から午後2時まで、主要道路の片側車線を使って開催されているのがCicrovia(シクロビア)と呼ばれている自転車・歩行者天国です。1974年に初めて実施されたこのシクロビアは年々、距離が延伸され、今や大都会ボゴタを網羅する総延長距離は121kmになります。利用者は100万人以上。また、自転車専用道路はCicroruta(シクロルータ)といい、総延長は200km以上あります。

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こうした経験を踏まえたうえで、ギルは言います。「公園は民主主義のシンボルであり、平等を体現する場所」だと。

ニューヨークのデブラシオ市長が貧困層のための公園予算を増やすと発表したというニュースが前にありましたが、ギル氏はコロンビアのボゴタで富む者だけでなく、貧困にあえぐ人々のためにこそ、公園緑地を整備し、彼らの生活を変えようと考え、実績を上げました。

セントラルパークを作ったオルムステッドの考えにインスパイヤーされたといっています。公園の理想を考えた先達、そして同時代人の考え、それらが今の時代の新しい価値をつくりだすために大きな役割をしています。

ロンドンが東ロンドン地区の貧困層の問題を解決するために、ロンドングリッド計画を策定し、オリンピックを開き、いまは世界で最初の国立公園都市にロンドンをしようというのも「この民主主義と平等」という同じ文脈の上にあります。

さて、日本ではどうするのがよいのでしょうか。

今月のギル氏のメッセージを抜粋して掲載します。全文はWorld Urban Parksのホームページhttp://ifpra.org/wup/news-events/news/254-parks-as-symbols-of-democracy-and-equality をご覧ください。言語を選べば、日本語で読めます。(機械翻訳ですので、文章としては難がありますが、だいたいの意味はつかめるでしょう。)

Parks as symbols of democracy and equality

Gil Penalosa, Chair of the Board of Directors

I’d like to write about two very important values that I think we all must keep in mind as we advocate for improved parks, open space, and recreational opportunities: those are democracy and equality.

Parks are not only powerful symbols of democracy and equality, they can also be direct agents of change. When I was Commissioner of Parks, Sport and Recreation in Bogotá in the late 1990s I saw first-hand the effect of creating and improving parks and open spaces had on both people’s attitude about their city and directly on their quality of life. I was inspired by Olmsted’s principles for the design of central park in New York City. People in Bogotá, whether rich or poor, needed places where they could “meet as equals.”

We designed and built over 200 parks in three years and also initiated the “new Ciclovia”/ Open Streets - a program that sees over 1.3 million people walk, run, skate and bike along 121 kilometers of Bogotá’s city roads every Sunday - that is internationally recognized and emulated around the world today. The Ciclovia in my mind was huge paved “central park” of Bogotá in that it connected some of the poorest areas of the city with some of the richest, but once on the Ciclovia, it didn’t matter where you were from you could have the same amount of fun.

This is just one example and there are similar stories from around the world on how the creation or improvement of parks and open spaces can directly improve quality of life, especially for those with limited access to recreational opportunities. Parks are about so much more than “fun and games”. They are fundamental to an egalitarian and democratic society, unless you believe only those with the money and means have the right to rest, relax and play.

Historical figures from around the world that had the vision to set aside our most celebrated urban parks are icons in their home countries. As an example, the U.S national park system is often regarded as “America’s Best Idea” yet as we sit on the brink of a huge population increase in our cities we do not see the same level of vision and action for protecting and improving our urban parks and open spaces.

参考 Instituto Distrital de Recreaciony Deporte - IDRD
    http://www.idrd.gov.co/sitio/idrd/?q=node/166
写真出典:上記に同じ

国際公園プロフェッショナルの資格を取ろう!

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公園やレクリエーションに関する専門家による国際組織World Urban Parksでは、世界で通用する公園管理分野の資格としてCPP(Certified Park Professional)公園プロフェッショナルとCIPP(Certified International Park Professional)国際公園プロフェッショナルの二つの資格制度を創設しました。

CPPは、公園管理運営のプロフェッショナルとしての能力が国際標準に達していることを証明するもので、日本の公園管理運営士にあたります。

CIPPは、CPPの上級資格であり、CPPの能力を持つほかに、国際的に活躍ができる公園管理力やグローバルなものの見方、ベストプラクティスの応用力など最新の能力開発が完了していることを証明するものです。

国際公園資格CIPPは期間限定で、特別認定が実施されています。この特別認定は、CIPPに相応しい活躍をされている方々を対象として、2015年12月末までの期間限定で行われるものです。公園管理運営士の資格がなくても現在World Urban Parks会員でなくても3つの要件をクリアするならば、特別認定の対象になります。(ただし、現在World Urban Parks会員でない方は、事前にWorld Urban Parks会員になる必要があります。)

この機会を生かして、ぜひCIPP資格にチャレンジしてください。

また、2015年12月末までに申込をした方は、通常申込費用から100米ドル減額した275米ドルで申し込みが出来ます。

資格の要件、申し込み方法、資格更新についての詳細はWorld Urban ParksジャパンのHPに日本語で記載しているPDFが掲載されています。

特別認定の申し込みは、World Parks Accademy のホームページで受け付けています。 

若者代表のWorld Urban Parks 理事と会いました

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6月15日にニュージーランドのWorld Urban Parks の理事のJennさんから私と千葉大学名誉教授の田代先生が表敬訪問を受けました。Jennさんはカナダのバンクーバー出身で現在はニュージーランドでスポーツ系のジム運営などのコンサルタントをしています。カナダで友人の結婚式に出るため途中日本に寄って、日本から選出されているWorld Urban Parksの理事である私たち二人に会いたいと訪ねてくれました。World Urban Parksは若い世代の公園プロフェッショナルを引きつけようと理事に若者代表枠を作りました。Jennさんがその第一号です。ニュージーランドの公園の課題、日本の課題を率直に話しました。ニュージーランドの公園では私企業が収益施設を運営するなど許されていないとのことです。その規制をぶち破りましょうと意見が一致しました。若い人たちが世界の公園をリードできたらWorld Urban Parksますます面白くなる予感がします。

World Urban Parksの会長を紹介します

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World UrbanParksの会長を紹介します。Gil Penalosaさんです。先日開催されたWorld Urban Parksの理事会で会長に選出されました。カナダのトロントで8ー80CitysというNGOを主宰しています。もともとはコロンビアの首都ボゴタの公園部長として、ボゴタを自動車で移動する街から自転車や歩くことを移動の中心にするよう自転車網や歩道網、公園の整備 に重点を置くまちづくりを実践した人です。8ー80というのは親の手が離れる8歳から元気な老人として80歳まで自分で歩き自転車に乗り暮らせる世の中にしようとの理念を端的に表したものです。
Gilとは、昨年の夏、スエーデンのマルメであった北欧公園会議で知り合いました。マルメ市長主催のディナーで席が隣になり、明日の自分の話す基調講演を是非聞いてくれというのです。
一時間の講演は、素晴らしいものでした。東京が2020年を目標に自転車道路網を区道もネットワークして広げようとしていますが、先進事例がボゴタで実現しているのです。Gilは世界中の都市に自分の経験を伝え8-80の理念を広める活動をしています。実践家がWorld Urban Parksの会長になったことは素晴らしいことだと思います。
GilがWorld Urban Parksのメンバーに送った手紙です。
World Urban Parks: Challenges, Opportunities and Responsibilities
Gil Penalosa, Chair of the Board of Directors
Toronto, Canada – June 2015
I am truly honored to have been elected Chair of World Urban Parks. It is an understatement to say that it is an exciting time to be working on urban parks at a global scale. To be part of a team of city park leaders supporting best practices in urban park, open space, and recreation development brings together my two greatest passions: parks and cities.
We have a lot of work to do. The world urban population will double from 3.5 billion to over 7.0 billion in the next 35 years. The population is expected to level off by 2050, so the cities we build today will be where billions of people will live for many hundreds of years. This represents a once in a lifetime opportunity to support the development of parks and open spaces as critical elements in creating healthy, sustainable, and inclusive cities.
In addition to the urgency that accompanies this unprecedented growth in urban areas, we also know that parks and open spaces are not prioritized as they should be. Budgets for parks which were already insufficient, are getting cut in most cities around the world, and parks and open space development has not kept pace with residential and commercial development in countless cities.
We have a tremendous responsibility to advocate and advance knowledge on parks on a global scale. We must build broad alliances with public, private, and non-governmental organizations to help position parks and open spaces as the essential building blocks of good city building they are. We need to move the conversation forward. We know parks and open spaces provide many benefits, they contribute to people’s mental and physical health, to the environment, economic development, and to social inclusion. The benefits far outweigh the costs, yet we seem to still have to make the case for parks.
Building on the great work of IFPRA and IUPGSA in the past, I believe the creation of World Urban Parks marks a great turning point in the global movement for improved parks, recreation and open space development in cities. We all have a responsibility to work hard on increasing membership around the world, providing better services to our current members, and doing the best job advocating for parks in each of our own cities as well as on a global scale. As Chair, I look forward to working with all our very committed members and executive to help coordinate all of our efforts in fully realizing the potential of our World Urban Parks.