中心街のムクドリ防除、新装置で成果 浜松市「一掃は困難」

静岡新聞 2014年12月9日

 浜松市中心街にムクドリが大群で飛来し、ふん害や鳴き声による騒音で市民を悩ませている。市は本年度、ムクドリの嫌がる音と特殊波動で衝撃を与え、防除する装置を導入した。こうした対策で歩行者や商店への影響が少ない樹木に誘導するなど一定の成果を挙げているが、抜本的な解決には至っていない。
 夕闇迫る11月下旬の午後4時半ごろ、JR浜松駅前に数千羽のムクドリが集まり、群れで上空を飛び回った。信号待ちの運転手や通行する買い物客らは空を見上げ、困惑した表情を浮かべた。約30分間、旋回を続けた後、鳴きながら、ねぐらとするバスロータリー北側の植樹帯に入った。
 市によると、ムクドリ被害が表面化したのは2008年ごろ。群れがすみ着いた街路樹の枝を落としたり視覚的に遠ざけるとされる金色の忌避テープを導入するなどあの手この手を講じてきた。
 今年6月には音と衝撃による特殊波動方式鳥獣防除システムを被害の大きい鍛冶町通りのケヤキなどに4台設置。より成果が挙がるよう音量やサイクルの調整を繰り返した。12月9日現在、遠鉄百貨店前の街路樹などに計13台を取り付けている。
 ふん害の状況に応じて週1回を目安に、歩道清掃も実施。その結果、苦情は減ったが、市南土木整備事務所の高藤雅敏副所長は「一掃するのは難しい。今のところ共生していくしかない」と苦しい実情を明かす。
 日本野鳥の会自然保護室(東京都)の葉山政治室長は、都市部のムクドリ被害の原因について、開発により郊外のねぐらが失われたことなどが原因と指摘。「別の場所に追いやっても、そこで新しいあつれきが生じる。どこまで許容できるか地域で考えていく必要がある」と強調した。

◇ムクドリ
 全長約25センチの留鳥で、日中は小さな群れをつくり郊外で餌を探すが、日没ごろに大群で集まり、決まったねぐらで寝る習性がある。野鳥は鳥獣保護法により原則保護することが定められていて、農作物に多大な被害が確認された場合などを除き捕獲や駆除はできない。浜松市によると、市街地にいるのは例年6月下旬〜12月上旬ごろだが、「今年は1月までいた。滞在期間が少しずつ延びている」という。

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